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無限等比級数~収束・発散の条件、例題つき~

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無限等比級数のサムネ

今回は過去の記事で軽く触れた無限等比級数について、ある程度ちゃんとした説明をしておくために等比数列の定義から始めて無限等比級数まで説明しようと思います。

以下のような流れで説明していきます。読者の方の理解度に合わせて読みたいところから読んでください!

等比数列

無限等比級数というのを説明するために、まずは等比数列について説明しておかなければなりません。というのも、無限等比級数とは等比級数の無限級数版であり、等比級数は等比数列の和のことだからです。

さて、等比数列とは「となりあう2数の比が一定の数列」です。(Wikipedia)
例えば、

  • 1,2,4,8,16,… (比は2)
  • 1,1/2,1/4,1/8,1/16,… (比は1/2)
  • 1,1,1,1,1,1,… (比は1)
  • 3,9,27,81,… (比は3)

などです。定義を式で書けば、第 \(n\) 項を \(a_{n}\) と書いて

\(\begin{eqnarray} \frac{a_{n+1}}{a_{n}} = r \end{eqnarray}\)

となります。ただし2数の比を \(r\) と書きました。

少し変形すると

\(\begin{eqnarray} a_{n+1} = ra_{n} \end{eqnarray}\)

この式を以下のように繰り返し適用して等比数列の一般項を得ます。

\(\begin{eqnarray} a_{n+1} &=& ra_{n} \\ &=& r\cdot ra_{n-1} \\ &=& r^{2} a_{n-1} \\ &=& r^{2}\cdot ra_{n-2} \\ &=& \cdots \\ &=& r^{n}a_{1} \end{eqnarray}\)

数列の中で一番最初の項を「初項」と言い、一般に \(a\) と書きます。
また、一定の比のことを「公比」と言い、一般に \(r\) と書きます。
まとめると、等比数列の一般項は初項 \(a\), 公比 \(r\) として、

\(\begin{eqnarray} a_{n} = ar^{n-1} \end{eqnarray}\)

と表せます。

等比数列の和 ~等比級数~

等比数列の和を等比級数と言います

\(\begin{eqnarray} S_{n} &=& \sum_{k = 1}^{n} a_{k} \\ &=& \sum_{k = 1}^{n} ar^{k-1} \\ &=& a\left(1+r+\cdots +r^{n^-1}\right) \end{eqnarray}\)

以下、この値を具体的に求めていきましょう。
そのために両辺に \(r\) を書けた式も考えてみます。

\(\begin{eqnarray} S_{n}-a &=& a\left(r+r^{2}+\cdots +r^{n^-1}\right) \\ rS_{n} &=& a\left(r+r^{2}+\cdots +r^{n-1}+r^{n}\right) \end{eqnarray}\)

第1式の左辺が \(S_{n}-a\) になっていることに注意してください。
両式の右辺を見ると、第2式最後の項を除いて全く同じ形になっていることに気が付きます。
従って、上の式から下の式を引き算するとほとんどの項は差し引きゼロになり、以下の形が残ることになります。

\(\begin{eqnarray} \left(S_{n}-a\right)-rS_{n} = ar^{n} \end{eqnarray}\)

\(S_{n}\) でくくると

\(\begin{eqnarray} \left(1-r\right)S_{n} = a\left(1-r^{n}\right) \end{eqnarray}\)

従って等比級数 \(S_{n}\) は (ただし \(r \neq 1\) )

\(\begin{eqnarray} S_{n} = a\frac{1-r^{n}}{1-r} \end{eqnarray}\)

と求まります。\(r = 1\) のときは同じ数を \(n\) 個足すということなので

\(\begin{eqnarray} S_{n} = na \end{eqnarray}\)

となります。

無限等比数列の極限

ここで、無限等比級数にうつる前に無限等比数列の極限についても触れておきます。無限等比級数の収束値を考えるときに必要になるからです。
ただし、厳密な証明を書くといつまでたっても無限等比級数に入れないので、ここでは直観的なイメージに頼ることにします。
結論を先に言うと、公比の絶対値 \(\left| r \right| < 1\) ならば \(n \to \infty\) の極限において \(r^{n} \to 0\) に収束します
例えば \(r = \frac{1}{2}\) の場合、
1,1/2,1/4,1/8,1/16,…
とどんどん0に近づいていくのが分かると思います。さらにべき乗していくと0に収束していくのは直観的に明らかですね。これは \(r = 1234/1235 \) のようなぎりぎり1より小さい公比でも同じで0に収束していきます。また、\( r = -1/4 \) のように負の値の場合でも、
-1/4,1/16,-1/64,…
のように正負で振動はしますが値の大きさは0に収束していくのが分かります。
しかし、例えば \(r = 1\) のような場合を考えると、
1,1,1,1,1,…
のようになって全然0に収束しません。
これらのことから公比の絶対値が1未満の場合には極限 \(r^{n} \to 0\, \left(n \to \infty\right)\) が言えます。

ちなみに公比の絶対値が1より大きい場合は \(r^{n} \to \infty \left(n \to \infty\right)\) も同様に分かります。

無限等比級数

さて、無限等比級数の収束性について議論しましょう。
まず無限等比級数とは、等比級数において極限 \(n \to \infty\) をとったものを言います

定義を式で書いておくと

\(\begin{eqnarray} S = \sum_{k = 1}^{\infty} ar^{k-1} \end{eqnarray}\)

です。

等比級数の公式は

\(\begin{eqnarray} S_{n} &=& a\frac{1-r^{n}}{1-r} \,\, \left(r \neq 1\right) \\ S_{n} &=& na \,\, \left(r = 1\right) \end{eqnarray}\)

でした。まず分かることは \(r = 1\) のとき、\(S_{n} \to \infty \left(n \to \infty\right)\) ということです。初項を無限個足すので発散するのは当たり前ですね。

次に \(r \neq 1\) の場合を考えます。\(r = -1 \) のとき、級数は正負の値を足し続けるので振動して収束しません。(一般に振動は発散の一つとして扱うことが多いようです)
次に\(|r| > 1\) の場合、先ほどの無限等比数列の極限で見たように、\(r^{n} \to \infty \) となりますので無限級数は発散します。
最後に \(|r| < 1\) の場合、\(r^{n} \to 0 \left(n \to \infty\right)\) となりますので無限等比級数は収束し、その収束値は

\(\begin{eqnarray} S = \frac{a}{1-r} \end{eqnarray}\)

となります。直観的には、足される数が \(r\) のべきに従ってどんどん小さくなるので収束するという感じになりますかね。

まとめると無限等比級数は

  • \(|r| < 1\) のとき収束し、収束値は\(S = \frac{a}{1-r}\)
  • \(|r| \geq 1\) のとき発散

となります。

例題

ここでは例題を解いてみましょう。

  • 一般項が \(a_{n} = 3\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}\) で表される等比数列の無限級数は収束するか。収束するならば収束値を求めよ。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は無限等比級数について書いてみました。
無限等比級数の理解に必要な材料は全て網羅したつもりですので、最初から最後まで読んでもらえれば分かるようになっていると思います。
数学に関する記事は他にも色々書いているので見てみて下さい!

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